雨の中のよさ恋めぐり

ぽつり、ぽつりと水滴が空から落ちてくる。午前中は曇りのはず。
「意外に早く来たな。」と思ううちに、参加者が集合場所に続々と来られ、さらに雨が強くなる。

前のお店で「純信がお馬に宛てた手紙」を拝観させてもらう。予定していた南園の入口から本館へ変更し、入場料を払って植物園に入り屋根伝いに展示館まで来たが、力強い雨は一向に止みそうにない。うっすらと空には明るみがあるが、なんとも判断しかねて様子を見ていると、少し雨が弱ってきたので決行を決めた。

荒天にもかかわらずキャンセルはなく26名の参加だ。有り難いことだ。楽しみにしてくれた「五台山秋のよさ恋めぐり」を進むことにしよう。
案内の声も雨音でかき消され、申し訳なく思いつつ歩くと、果樹園の中にある「おうま岩」に着いた。資料を出そうとリュックを開けていると、ご婦人がそっと傘を差し掛けてくれた。
 
お礼を言う間もなく、この場所を二人がデートに使った経緯や二人のエピソードを自己流に案内する。近くにはキリシタン戦国武将の明石掃部の墓がある。BASARAのキャラになってもいい勇敢で立派な武将だ。さらに参政小倉小助、三省の墓、山道を下りお目当てのお馬生家にある「お馬井戸」に着いた。

ようやく雨が弱くなり、少しやんだ。帰りはお馬道から南の坊跡を案内し、最後の休憩地で箏と尺八等の演奏会を催す竹林寺本坊客殿にご案内する。びっしょりと服が濡れている。参加者の方々もさぞうっとうしい思いをしただろう。
晴れてくれたら、もっとゆったりと五台山の自然と文化と歴史を満喫していただけただろうに。
 

植物園を出入りするために、今後はこのコースをご案内できなくなった。閉会の挨拶でこの日が最初にして最後の企画だと紹介すると、皆様が愉快に笑ってくださった。その励ましで私の冷え切った身体が暖かくなったのが心に残る。